5月17日、横浜市都筑区・ボッシュホールで開催された「まちbiz EXPO」に足を運びました。地域で活動する自営業者や起業家、専門家たちが一堂に会し、それぞれのサービスや思いを語り合う展示・相談イベント。想像以上に多様で熱量のある出展者が並び、私はこのイベントを通じて、「地域経済圏」という言葉が生き物のように立ち上がってくる感覚を覚えました。
顔の見える関係が生む、信頼と共感
今回のEXPOで感じた一番の価値は、やはりFace to Face(F2F)のつながりです。WebサイトやSNSでは伝わらない熱意や価値観、そして人柄が、たった数分の会話の中でしっかりと伝わってくる。出展者の方々と直接話す中で、「一緒に何かやってみたい」と自然に思えるような信頼感が生まれていくのです。
例えば、音を使った企業ブランディングを支援する音楽家、空間に色彩心理を取り入れるカラーコンサルタント、言葉のチカラを伝えるコピーライター。いずれも、単なる“サービス”を売るのではなく、自分の専門性を地域の課題解決や人の幸せにつなげたいという想いが感じられました。
また、家事代行やDIY支援といった生活支援系の出展者も印象的でした。自宅を撮影スタジオとして貸し出すという新しい視点も含め、生活空間のあり方そのものがビジネスになる時代。都市部に限らず、暮らしの延長線上に仕事がある——そんな価値観が、静かに広がっていることを肌で感じました。
経済を「地域で回す」という選択
まちbizのようなコミュニティは、いわば“地域内経済のエンジン”です。大企業が提供できない、小回りの利く、かゆいところに手が届くサービスを、地域の中で提供し合う。そこには「どこで買うか」ではなく「誰から買うか」という意識が根付きつつあります。
そして、それは単なるお金のやりとりにとどまりません。専門家を紹介し合ったり、ワークショップを共催したり、まちづくりに連携したり。経済活動とコミュニティ活動が自然と重なり合い、やがて一つの“地域経済圏ネットワーク”となって回り始めていく。そんな持続可能な仕組みが、現場には確かにありました。
さらに、こうした地域経済圏は、起業家や副業者にとっての「スタートライン」としても機能します。特に、子育てや介護などで時間的制約のある方にとって、無理なく自分の強みを発揮できる場所があるということは、人生の選択肢を大きく広げてくれます。
首都集中から、地域分散へ
このような取り組みが、いま全国のさまざまな地域で少しずつ芽を出し始めています。大都市一極集中ではなく、地域に点在する「多様な生き方・働き方のモデル」が見えるようになる。そこには、これからの社会にとってとても重要な視点が含まれていると思います。
一つの価値観やライフスタイルに集約されるのではなく、それぞれの地域がそれぞれの強みと文化を活かしながら、多様な経済圏を育てていく——。それは、「東京に出ないと何もできない」時代ではなく、「地元でもできることがある。つながれば、もっと広がる」という可能性に満ちた社会の姿です。
子どもたちに見せたい未来の姿
私たち大人が、地域に根ざしながらも自由に挑戦できる姿を見せること。それこそが、子どもたちにとっての希望の灯になるのではないでしょうか。

今回のまちbiz EXPOを通じて、地域で働き、学び、つながることがどれほどクリエイティブで魅力的なことかを、あらためて実感しました。そして、それは決して特別な誰かの物語ではありません。少し勇気を持って、地域に関わる一歩を踏み出すだけで、私たちの足元にも無数の選択肢が現れてくるのです。
首都に集まるのではなく、地域に散らばる。そんな未来の選択肢がいくつも見える姿を、子どもたちに見せていけるとよいですね。


