企業でのAI無許可利用として語られるシャドーAIの記事(*1)が出ています。企業内の組織統制の面から語られていますが、シャドーAIの問題は元を正せば従業員一人ひとりの判断から生まれます。組織や社会がAIを安心して受け入れるためには、個々人がAI倫理を理解し、日々実践することが大切です。
なぜAI倫理が出発点か
シャドーAIの問題は現場の小さな入力ミスや無断のデータ持ち出しが、機密侵害や誤情報の拡散につながっています。でもそれらの多くは現場の善意の効率化から起きています。最後にスイッチを押すのは人であり、規則などの有無に関わらず個人の基本的な考え方に基づく判断が安全性を左右しているのです。
AI利用の原則
- 目的整合:業務目的や社会的使命に合う用途に限る。採用や評価、契約など高リスクな用途は人が責任を持って最終確認する。
- 透明性:AIが関与したことを説明できる状態を保つ。
- 最小化:AIに渡す情報は最小限にする。機微情報は原則投入しない。顧客名などは入れず要約や匿名化で代替する。
- 検証可能性:出力は一次情報で裏取りできるようにする。引用は出典を明記し、AIのモデル名や利用日時、入力概要を記録する。
- 公平性:偏りを疑い、他者に不利益が出ないかを点検する。
- 迷ったら相談:上長や法務、情報管理に早めに確認する。急ぐ場合は非AIの代替を選ぶ。
まとめ
シャドーAIは組織の仕組みの問題だけではありません。個人がAI倫理を理解し、最小入力、可視化、検証、責任というサイクルを自律的に回すことが、組織の統制と社会の信頼につながります。
※1:Hatchimonji, Grant(2025年6月17日)「Shadow AI: How CISOs can regain control in 2025 and beyond」SearchSecurity(TechTarget).


